猫のブリーダー事業を行うクライアントさんを担当している際に、猫(生き物)って減価償却できるのか気になったので調べてみました。
今回の場合は、対象となる生き物は 繁殖させるための親猫と繁殖された子猫です。
まずは減価償却の対象となるかどうかという話ですが。
子猫の場合は、値段をつけて販売してしまうので「売上原価」扱いとなり、減価償却の対象とならないのは明白です。一方で、親猫はそれ自体を販売することはなく複数年に渡って子猫の繁殖に必要となるので、親猫の購入に費用が発生していた場合は、経費もしくは固定資産(親猫の購入費が10万以上の場合)として計上できそうです。
もし固定資産に該当するならば減価償却はどうなるのかというと
生き物の減価償却資産の範囲について税法上は以下のように定義されています。
法第2条第23号(減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。
一 建物及びその附属設備(暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属する設備をいう。)
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七 工具、器具及び備品(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む。)
九 次に掲げる生物(第7号に掲げるものに該当するものを除く。)
イ. 牛、馬、豚、綿羊及びやぎ
ロ. かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹、梨樹、桃樹、桜桃樹、びわ樹、くり樹、梅樹、柿樹、あんず樹、すもも樹、いちじく樹、キウイフルーツ樹、ブルーベリー樹及びパイナップル
ハ. 茶樹、オリーブ樹、つばき樹、桑樹、こりやなぎ、みつまた、こうぞ、もう宗竹、アスパラガス、ラミー、まおらん及びホップ
「出典:法人税法施行令 第13条 減価償却資産の範囲」
九に猫は該当しないので七の「工具、器具及び備品」扱いということになります。
猫が備品扱いというのも何だか変な感じがしますが、税法上はそうなるようです。
ここで気になるのが、猫の償却期間と償却法はどのようにすればいいのかという話です。
「工具、器具及び備品」における生物の耐用年数および償却率は以下のように定義されています。
(参考:減価償却資産の耐用年数等に関する省令)
猫は"その他"に該当するので8年の耐用年数になり、償却方法に関しては定額法・定率法どちらも適用できるようです。
私が担当した案件では、猫の購入費用は1匹約20万円だったので、少額減価償却資産として一括で経費計上しました。
ただ親猫は子猫を繁殖させるのが目的なので、雄猫と雌猫をセットで考えるべきではないかという論点もありますが。。。
結論として、事業供用であれば猫(生き物)って減価償却できるみたいですね。
拙い文章でしたが、ご参考いただければ幸いです。