税務会計
この記事は 2020/08/27 に投稿されました
[節税対策]出張旅費規定とは?
keita.w

皆さんは出張旅費規定をご存知でしょうか?

個人事業主の方にはあまり聞き慣れない言葉かもしれません。出張旅費規定とは法人において出張の際に発生する旅費の取り扱いについて定めたものをいいます。実はこの規定を作成しておくことで多くのメリットを享受することができます。

この記事では、この出張旅費規定について詳しく解説します。


出張旅費規定とは?

出張旅費規定とは法人において「出張の際に発生する旅費の取り扱いについて定めたもの」をいいます。

少し具体的に説明すると社長・役員・部長と言った役職ごと、そして宿泊日数や出張先への移動距離などに応じて支給する金額を定めたものです。この出張旅費規定を作成することで節税や実費精算の手間を削減することができます。

出張旅費規定を作成する際には下記の5項目を定義しておく必要があります。

<1. 出張旅費規定の目的>

 出張旅費規程の目的を定め、就業規則の規定に基づき項目として記載。

<2.適用範囲>
 原則として社員は全員対象。アルバイトやパート、契約社員も対象とする場合はその旨も記載。

<3.出張の定義>
 距離や宿泊日数などによって出張かどうかを区別し、どの交通機関を交通手段として認めるかなども記載。

<4.旅費の種類と支給額・支給条件>
 交通費、宿泊費、出張手当の支給額を明記。距離ごとや役職ごとに金額が異なる場合はその旨も明記。

<5.支給方法・手続き方法>
 出張申請や旅費の精算など、必要となる手続きを明記。出張報告書を提出させる方法が一般的です。

出張報告書の例


この出張旅費規定を作成することで大きく2つのメリットを享受することができます。


メリット①:実費精算の手間が省ける

出張に掛かった費用は実費精算することで経費として計上することができます。

出張の際には交通費やホテルの宿泊代に加えて、食事代や通信費、備品購入代と言った雑費用が発生します。それらの費用を1つ1つ実費精算するというのは面倒ですし、出張の回数が多ければ多いほどその煩雑さは増していきます。また、食事代などの場合は、人によって金額にばらつきがあり、実費精算を行ってしまうと不公平感を生みます。

このような煩雑さや不公平感を解消するための手段の1つとして「出張手当」があります。

出張手当とは交通費や宿泊代を除く雑費用分を出張旅費規定に基づいて一定の金額支給するというもので、実費精算のように領収書や精算書をいちいち提出する必要はなく、代わりに出張報告書を提出するだけなので無駄な工数を削減することができます。ちなみに出張手当には実費精算が容易な交通費や宿泊代は含まないというのが一般的ですが、会社によっては含む場合もあります。


メリット②:会社にとっても従業員にとっても節税対策になる

出張旅費規定を作成することの最大のメリットと言っていいでしょう。

出張手当は課税対象とはならないため、会社の従業員にとって節税効果を生みます。(もし出張旅費規定を作っていない場合は支給された金額は出張手当ではなく給与手当てとみなされます。給与手当の場合は所得税と住民税の対象となってしまいます。 )

また、会社にとっても節税効果を生みます。出張手当を含む出張に掛かった費用は経費計上できるため、法人税の軽減に繋がる上、消費税の課税仕入れの対象にもなります。そのため、会社が納める消費税額の負担軽減にもなるのです。ただし、海外出張に掛かる費用は消費税の課税仕入れの対象にはならないので注意が必要です。

社会保険料の報酬にも含まれないため、従業員・会社が支払うべき社会保険料の減額にもなります。


デメリットは?

出張旅費規定を作成することのデメリットは以下の2つです。

 1. 出張手当の支給金額の設定値が妥当な金額でない場合は無駄なコストが発生する
 2. 損金算入否認のリスクがある

この2つのデメリットは出張旅費規定において設定した支給金額が適正でない場合に発生します。もし税務調査で出張手当の支給額が適正額よりも多いと指摘されてしまった場合、超過分が損金としては算入されず課税所得として扱われてしまいます。加えて、それ以上の支払いが求められる場合もあるので注意しなければなりません。こうなってしまうと、節税というメリットがなくなってしまうので、出張旅費規定の作成は慎重に行わなければなりません。


まとめ

この記事では、 出張旅費規定について解説しました。

<出張旅費規定とは?>
 法人において出張の際に発生する旅費の取り扱いについて定めたもの

<出張旅費規定のメリット>
 1. 会社にとっても従業員にとっても節税対策になる
 2. 実費精算の手間が省ける

<出張旅費規定のデメリット>
 1. 出張旅費規定を作成するための工数が掛かる
 2. 出張手当の支給金額の設定値が妥当でない場合は無駄なコストが発生する

出張旅費規定を作成することで実費精算の無駄な工数の削減や節税対策にもなり、メリットは大きなものがあります。法人成りしたばかりの事業者の場合など、出張旅費規定をまだ作成していない場合は出張旅費規定の作成を検討してください。

もし出張旅費規定の作成に不安があるという場合は、税理士などの専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。

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