消費税の課税事業者になるかどうかの判定方法は複雑で毎回忘れがちな内容です。この記事では消費税の課税事業者になるかどうかの判定方法を解説します。最後にYES、NOの質問に答えるだけの簡単な判定フローチャートも作ったので皆さんのお役に立てれば幸いです。
課税事業者かどうかを判定するためには以下に説明する8つの項目を確認する必要があります。
課税期間内の基準期間における課税売上が1000万円を超えてしまう場合は課税事業者となります。
消費税課税事業者選択届出書とは、消費税の免税事業者が敢えて課税事業者となるために提出する届出書のことです。この提出届出を提出している場合は課税事業者となります。
特定期間における課税売上高が1,000万円を超えており、かつ給与等の支払額も1,000万円を超えている場合は課税事業者となります。
事業の相続・合併・会社分割などがあった場合は消費税の免税事業者であったとしても課税売上高が1,000万円を超えている場合は課税事業者となります。
設立1,2期目の事業年度開始日の資本金が1,000万円以上である場合は課税事業者となります。
設立から2年以内で課税売上高が1,000万円以下であっても、特定新規設立法人に該当する場合は課税事業者となります。
消費税課税事業者選択届出書を提出により、もしくは新設法人の納税義務の免除の特例、特定新規設立法人の納税義務の免除の特例により課税事業者となる2年間において、調整対象固定資産の課税仕入れを行った場合、調整対象固定資産の課税仕入れを行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間は、課税事業者となります。
免税事業者であっても、高額特定資産の課税仕入を行った場合は課税仕入れを行った日の属する課税期間の初日から原則として3年間は課税事業者となります。
<用語解説>
基準期間
課税期間
消費税の計算期間を指し、通常、個人であれば1月1日~12月31日、法人であれば事業年度
納税義務の判定の基準となる期間を指し、原則として個人事業者であれば前々年、法人であれば前々事業年度を指す
特定期間
個人事業者についてはその年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人については原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます
特定新規設立法人
基準期間がない事業年度の開始日における資本金額又は出資金額が1,000万円未満である法人のうち、次の①、②の両方に該当する法人を指す。
①その基準期間がない事業年度開始の日において、"他の者"により株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合等、他の者等により支配されている。
②①の判定基準となった"他の者"等の基準期間相当期間における課税売上高が5億円を超えていること。
調査対象固定資産
棚卸資産以外の資産で、建物及びその附属設備、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税及び地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものを指します。
高額特定資産
棚卸資産又は調整対象固定資産で、税抜価額が1千万円以上の資産を指します。
上記の内容をまとめた判定フローチャートを作成しました。YES,NOのボタンをクリックしていくだけで、消費税の課税事業者かどうかを判定できるようになっています。