税務会計
この記事は 2020/10/14 に投稿されました
事前確定届出給与について調べてみた
taxhack

役員報酬の経費計上について調べる必要があったので、この機会に事前確定届出給与についてまとめてみました。

役員に対する報酬は原則的には経費計上することができません。しかし、ある一定の条件を満たせば経費計上は可能となります。主に以下の2つの給与は経費計上が可能です。

 1. 定期同額給与
 2. 事前確定届出給与

1は役員に毎月支払う報酬が同額であれば経費計上が可能だというものです(詳しくはこちらの記事を参照)。2はこの記事で解説する内容で、あらかじめ届出を税務署に提出していれば株主総会で支払時期および支払金額が確定していたものは経費計上が可能になるというものです。以下で詳しく解説します。


事前確定届出給与とは?

先ほど説明したように役員に支払われる報酬で、株主総会で支給時期および支給金額が確定しているものは、税務署に事前に届出を提出することで事前確定届出給与とすることができます。そうすることで役員へのボーナス(賞与)などの一時的な報酬を経費計上することが可能となります。

注意しなければならないのは、事前に届出した支給時期と支給金額が完全に一致していなければ経費として認められないということです。金額は多くとも少なくともダメだということです。

例えば、10月1日に600万円を支払うという内容であらかじめ届出をした場合は、以下のようにができない場合があります。

10月2日に600万円を支給した
経費計上できない
10月1日に601万円を支給した経費計上できない
10月1日に600万円を支給した経費計上できる

また、支給回数が複数ある場合も同様に実際の支給時期および支給金額が全て一致していなければ経費計上できないので注意してください。


届出書類と提出期限

事前確定届出給与の届出を行う際には以下の書類に必要事項を記入した上で所轄の税務署に提出しなければなりません。

 ・事前確定届出給与に関する届出書
 ・付表(事前確定届出給与等の状況)


上記の書類は国税庁のHPからダウンロードできます。

書類は提出期限があり、通常は株主総会の決議の日から1ヶ月経過日もしくは職務の執行を開始する日から1ヶ月経過日のどちらか早い方、あるいは事業年度開始の日から4ヶ月経過日のいずれか早い方が提出期限となります。ちなみに、新設法人の場合は設立日から2ヶ月経過日が提出期限となります。

なお事前確定届出給与の届出は、適用を受けようとする事業年度ごとに提出する必要があります。

事前確定届出給与に関する届出書の記載例

下記は提出書類の記載例になります。

【事前確定届出給与に関する届出書の記載例】


① 単体法人にチェックを入れます。
  ※連結納税の承認を受けた親会社である場合は連結親法人にチェックを入れます
② 納税事業者の情報を記入します
③ 役員に支払う報酬の支払日と支払金額を決議した株主総会の日付を記入します
④ 支払日と支払金額を記載した付表のNoを記載します
⑤ 届出期限となる日を記載します
⑥ 担当税理士の署名・押印

【付表の記載例】


① 事前確定届出給与対象者の氏名・職務の執行期間・事業年度を記入します
② 事前確定届出給与の支給時期および支給額を記入します
③④ 事前確定届出給与以外の給与があれば記入します(定期同額給与や保険料の現物給与など)

※もし株式による報酬支給がある場合は、付表 2も提出してください。(記載内容は付表1とほぼ変わりません)



[Yes/Noチャート]事前確定届出給与として経費計上できるのか?

最後に事前確定届出給与として経費計上できるかどうかを判断するためのYes/Noチャートを作成しました。もし、経費計上できるのか不安な方は活用してみてください。

役員の職務につき、所定の時期、確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与であるか?
YES
NO
経費計上できない



まとめ

この記事では、事前確定届出給与について解説しました。役員への一時的な報酬が事前確定届出給与とみなされれば経費計上できます。節税対策としては大きなメリットです。

一方で下記のように注意しなければならない点もあります。

・届出に記載した支給時期&支給金額は実際の支給時期&支給金額と一致していなければならない
・届出は適用を受けようとする事業年度ごとで、かつ提出期限内に提出しなければならない


特に事業年度ごとの期限内での提出が義務であるため、提出し忘れると事前確定届出給与の適用ができなくなってしまいます。また、支給金額は事前に決定しておく必要があるため、設定金額が過剰すぎると業績に悪影響を及ぼすことも考えられます。このように事前確定届出給与に関して何かしらの不安がある場合は、税理士などの専門家にアドバイスを受けることをおすすめします。


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